MONO知り会

- discovering classic MONO -

新しくメンバーになった 4 人が
MONO の過去作品の DVD を鑑賞し
MONOを深堀していく企画

第2回
我々「MONO一年生」メンバーによる、過去作品鑑賞企画。第2回は水沼健の推薦作品『裸に勾玉』
まだ僕たちに出会う前のMONOは一体どんな顔を見せてくれるのだろう…
 故きを温めて新しきを知る
この企画を通して、皆様と「MONO30年」の時間を共有したいと思います。

MONO 石丸奈菜美 高橋明日香 立川 茜 渡辺啓太  2019年5月

『裸に勾玉』

第43回公演|2016.3 ◇シアタートラム ◇愛知県芸術劇場 小ホール ◇ABCホール

ここは狗奴の国。
邪馬台国との戦に備えなんだか周囲は殺伐としている。
そんな中、ある集落のはずれに間抜けな三兄弟を中心にした家族が住んでいた。
彼らはとても愉快に暮らしている。
しかしある日、不思議な男が紛れ込む。
「うわ、早く追い出さないと」「だけどあの人、泣いてたよ!」
 
弥生時代を舞台に〝現在〟を描く。
私たちは誰に優しくしたらいいんだろう?

平成28年度大阪文化祭賞優秀賞受賞

撮影:谷古宇正彦

水沼 健 おすすめコメント
舞台美術を見ただけで興奮する。教科書の写真で見たようなものが、そのまま立体で再現されているためだ。MONOでは架空の言語体(方言)を使う芝居が他にもあるが、この作品で使われているものは地域性ではなく時代性を考慮してのもので、架空の言語体であるおもしろさや効果が最大に生かされた作品でもあるとおもう。国家の問題と家族の問題というほんらい規模のちがうものが、弥生時代という背景のなかでほぼ不可分の現実として描かれている内容は、描いた物語は劇団の持ち味にあふれている。

  • 石丸奈菜美(いしまる ななみ)

    俳優

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    客入れ時、まず美術に驚き、開演直後に弥生言葉に驚き、たくさん笑って泣いて、終演後に同行者と熱く語って……。劇場で拝見したとき、「いい一日だったな〜」と、とっても満たされたのを覚えています。
    名前のつかない感情を持て余す気持ちだったり、集団生活における振る舞いだったり。遠い昔の人たちを思いながら、普遍的な喜びや苦しみが宝物に感じるというか……「生きていく」ということに対して前向きになれる作品だな、と改めて思いました。

    個人的に好きな弥生言葉
    ・めぐしい
    ・ぴとおどり
    ・くるちいんたよ

    あーは、見たことのする、まっことめぐしい舞台を!
  • 高橋 明日香(たかはし あすか)

    俳優

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    私がMONO作品に出演するようになって4作品目でした。
    稽古も残り終盤…家で練習をしていると、母から何を言ってるの?その方言わからないわ~!と言われた時はかなりの不安を感じた事を覚えています。お客さんが入るまではどんな感じで見てもらえるか伝わるのかな?とのぞんだ公演でした。
    久しぶりにDVDを鑑賞して、燕のいる駅に比べるとゆっくりなテンポで、言語を理解できるように進んでいくのが作品にあっているな~と改めて思いました。
    水沼さんの役、阿久多の間抜け具合が最後にはとても愛しい存在になっていきました。個人的に「アーは矢もいれない、なんにもできない。なのにどうちているんだろう?アーはどうちているんだろう。って」のセリフが人間らしくて堪らないです。
  • 渡辺啓太(わたなべけいた)

    俳優

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    3年前、客席で観ていた頃の記憶も残りつつ、改めてDVDで観ることで、細かな表情、舞台美術のこだわりなど、新たな発見がたくさんありました。
    尾方さん演じる「現代人」が言葉も全く通じない中、弥生時代の人たちとコミュニケーションを取ろうと奮闘する様子がとても面白かったです。
    また物語終盤、弥生時代の人たちが現代の言葉を覚えて実際に喋った時、「現代語を喋ってる方が違和感を感じる」と思い、不思議な感覚でした。
    本当のことはわからないけど、きっと2000年前の人たちも、今を生きる僕たちも抱える悩みや問題の根本は同じなんだろうな…
  • 立川 茜(たつかわあかね)

    俳優

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    初めてMONOの舞台を観たのが「裸に勾玉」。
    広島への帰路で、興奮してメモを書きまくったのを覚えています。
    とにかく衝撃だったのが弥生語。
    違和感のある響きと、意味がぎりぎり分かる絶妙な言葉選びのバランスが楽しい。規則性を見つけたりして、いつのまにか違和感なく会話を追えるようになる。この新感覚は感動しました。
    弥生時代というと遥か遠い存在に思えたりしますが、そこに生きるのは普通の人たち。キャラクターやポップさに頼らなくても、かけあいや間合いで面白くなる。会話劇って楽しい!と肌で感じた原体験でもあります。

撮影:田口友弘

使ってみたくなる「架空方言」はMONO作品に多く登場しますが、中でも『裸に勾玉』の弥生語はピカイチではないかと思います。この日もお気に入りのセリフが飛び交っておりました。〔立川 茜〕