MONO知り会

も の し り か い

新しくメンバーになった 4 人が
MONO の過去作品の DVD を鑑賞し
MONOを深堀していく企画

第1回
我々「MONO一年生」メンバーによる、過去作品鑑賞企画。第一回は土田英生推薦作品『燕のいる駅』
まだ僕たちに出会う前のMONOは一体どんな顔を見せてくれるのだろう……
 故きを温めて新しきを知る
この企画を通して、皆様と「MONO30年」の時間を共有したいと思います。

MONO 石丸奈菜美 高橋明日香 立川 茜 渡辺啓太  2019年5月

「燕のいる駅」

第24回公演|1999.7 ◇近鉄アート館

燕が巣をつくる頃。のどかな景色の中、「日本村四番」と呼ばれる駅には全く 電車がこなくなる。前日にこの地域に人々は皆こぞって逃げ出していった。 空には 大きなパンダの形をした雲。その雲の正体は分からない。残った駅員 や乗客達は不安を感じながらもここで待つしかないのだ。まさか、その日が 世界最後の日 だったとは誰も気づかなかった。

撮影:松本謙一郎

土田英生 おすすめコメント
『燕のいる駅』という作品にははっきりとしたストーリーはなく、言ってしまえば「世界の終わり」という特殊な時間だけを描いている作品。だからそこに立つ俳優の力が試された舞台だと思う。MONOという劇団の特色だと考えているアンサンブルの魅力と個々の力がいい塩梅に融合している気がするので新しいメンバーにも観ておいて欲しいと思った。余談になるけど私は小さい頃に「ノストラダムスの大予言」を読み、「1999年7の月、恐怖の大王が降ってくる」という文章に震え上がった。この作品の上演がまさに1999年7月。潜在意識に恐怖が残っていたのかも知れないと後になって思った。

  • 立川 茜(たつかわあかね)

    俳優

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    MONOの芝居はもっと早かった、とは聞いていたが、実際観てみると驚いた。無駄な間は一切なし。ぽんぽんどんどん進んでいく。これで付いていけるのか…!?
    けれど、その効果はすぐに実感できた。このテンポだからこそ序盤に入ってくる情報をストレスなく受け止められるし、こぼれてくる小さなズレや間が活きてくる。つぶやいた一言が刺さる。濃くなってくる終末の気配と共に、その波紋が大きくなってくる。くうー!
    躊躇っていた一歩をやっと踏み出して、まるで明日があるように、皆駅を離れていく。
    一人だけが取り残された駅舎に差し込む夕日はとてもきれいで、かなしくて、私は途方にくれました。
  • 石丸奈菜美(いしまる ななみ)

    俳優

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    テンポの速さにまず衝撃。水沼さんと金替さんに残る少年性だったり(30代だそうです)、逆に奥村さんと尾方さんの変わらなさだったり(タイムスリップしましたか?)、土田さんの控えめさだったり(笑)、増田さんの声の美しさだったり、西野さんの佇まいの可憐さだったり……シナリオに胸を打たれつつ、MONOの歴史やエネルギーを改めて感じてぼーっとしちゃいました。素敵……!
    個人的に好きだったシーン
    ・「なんでバカなの? ……だから考えるなよ。しっかりしろよ」
    ・「どうして自分からなんか、こうしないの?」「頼んでよ一回くらい」
    ・「知らないからって、知ろうとしないんだよ。なんでも」
    行列の中にいるとどこを歩いているか分からなくなる。痺れました。
  • 高橋 明日香(たかはし あすか)

    俳優

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    20年前も今も土田さんが伝えたい根っこの部分は変わらない。
    外側では大きな何かが動いているのに内側は淡々として、ありふれた遠回しな会話が繰り広げられる。皆、のんびりさんやすっとんきょーさんなのだ。のんびりさんが気付いた時には世界の終わりが近づいていて少し遅い。
    私ものんびりさんだからあの世界に居たら取り残されているんだろうな。「明日やろう、またいつか言おう。」を今日からやめたい。そんな些細な事を頭の隅で考えて、ちょっとした決意をした作品でした。
  • 渡辺啓太(わたなべけいた)

    俳優

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    20年前の作品なのに古臭さは一切なく、今でも沢山の団体が再演をされているのも納得。
    「優しさ」がとても印象的な作品でした。「優しい」の表現は一つではなく、「優し過ぎるからダメ」だったり「厳しさの中にある優しさ」だったり…とにかく、登場人物が全員「優しい」人たちだったなあ。特に奥村さん(当時は違うお名前で出演されてましたが…)演じる「本多(ヤマトヤマシロノのヤマシロ)」のストレートな優しさが好きです。
    そして、この時既にMONOが放つ団体の空気感・MONOのカラーが出来上がっていて、改めて30年築かれて来た歴史を実感しました。
    20年前ということは…当時の先輩達より、今の僕の方が年上なのか…

撮影:田口友弘

第1回目の鑑賞会。前半はMONOの先輩メンバーたちの台詞のテンポの速さや若かりし姿に盛り上がりつつ、徐々に雰囲気の変わっていく世界観に引き込まれていきま した。ラストシーンでは涙するメンバーも。あっという間の 1 時間半。