MONO知り会

ー も の し り か い -

2018年にメンバーになった 4 人が
MONO の過去作品の DVD を鑑賞し
MONOを深堀りしていく企画

第8回
「MONO2年生」メンバーによる、過去作品鑑賞企画。第8回は『のぞき穴、哀愁』です。

自分たちと出会う前のMONOは一体どんな顔を見せてくれるのだろう。……故きを温ねて新しきを知る。
この企画を通して、皆様と、MONOが紡いできた時間を共有したいと思います。

この作品をおすすめくださったのは、舞台監督の青野守浩さん。10年くらいMONOの公演を担当くださっているとのこと。
「啓太」とか、下の名前で呼んでくださるようになって、ちょっと距離が近づいてきたかなとうれしく思っています。
ということで、観劇のじかん!

MONO 石丸奈菜美 高橋明日香 立川 茜 渡辺啓太  2020年5月

『のぞき穴、哀愁』

MONO第41回公演|2014年2月-3月 ◇ 駅前劇場名古屋 ◇ テレピアホール ◇ 北九州芸術劇場 小劇場 ◇ HEP HALL

あるビルの天井裏には他の社員の知らない部屋があった。会社をリストラされたと思われている数名の会社員。
彼らは社長直属の「諜報課」に配属され、日々、天井から社内の様子を覗いているのだ。この情報化社会の中で、現代の 「忍び」として、陰に隠れて過ごす人々の哀しい日常。ライバル会社のスパイとの情報戦があったり、暗い天井裏でのささやかな恋があったり。決して主役にはなれない。外野から無責任な声を上げることの気持ち良さと惨めさを、天井裏に巣食う人々の姿を通して描かれた-

撮影:谷古宇正彦

青野守浩さんより 当時の思い出

MONOの舞台美術はいつも作りこまれたものが多いですが特にこの美術の容積率? 密度? 劇場の容積に占める美術の割合の高さが。
「埋め尽くされている!!」
……同業種の知り合いが観劇に来るともれなくバックステージ見学をしてました。

  • 石丸奈菜美(いしまる ななみ)

    俳優

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    は〜、MONO知り会、とうとうこのときが……!
    『のぞき穴、哀愁』は私が初めてMONOを観た作品でした。客演の森谷ふみさんと共演させていただいていて、ご案内をいただきました。恥ずかしながら、それまでMONOのことを知らなかったのですが……観劇後の興奮をありありと思い出すことができます。
     上演時から、今回初めて見返しましたが、なんだか……初恋の人に何十年かぶりに会う同窓会の前、のような緊張感で一人で観るのが大変でした(笑)。
     作品の内容に触れる前に文字数が来てしまいましたね。
     現場ごとに人が変わっていくのが当たり前で、どこかの団体に属して、特定の誰かとずっと芝居を作っていく、という道が自分にあるなんてことを考えたことがありませんでした。ですがこの作品をきっかけにして、縁が繋がってMONOの劇団員になっています。あのとき人生が変わったんだな……というとなんだか仰々しいですが(笑)、一つの作品が個人に与える力というものを改めて感じて、じんわりするような、奮い立つような気持ちになった夜明けでした。
  • 高橋 明日香(たかはし あすか)

    俳優

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    この作品は東京では下北沢・駅前劇場で上演されたのですが、駅前劇場は天井が低くて、芝居を観ているとどうしてもダクトが目に入ってしまいます。でもこの作品は、舞台上にもダクトに埋め尽くされていて、劇場とマッチしているお気に入りの舞台美術でした。
    穴から下を覗いている人達が、そこから漏れている光を眺めている姿だけで下の世界を羨ましく見ているように見える。笑いを交えながらも外から見てるだけでは何も起きない悲しさを感じました。
    私は出演していたのにも関わらず、恥ずかしすぎて全く見返していなかった作品だったので、新鮮な気持ちで鑑賞しました。
    特にお気に入りのシーンは土田さん、水沼さんの伝説の寸劇です。個人的にもう少し見ていたかった……。
    尾方さんの可愛いさにキュンとしたり、金替さんの冒頭シーンの興奮状態が面白く、一人で笑い転げてました。
  • 立川 茜(たつかわあかね)

    俳優

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    際立ってブラックユーモアな空気の漂う作品だなあと思いました。
    会社を穴から監視する「諜報課」も面白いし、穴から野次やラブコールを送るおじさま方もコミカルで可愛い。階下の社員達は、何も知らず勢力闘争や、恋の駆け引きをしたり。序盤はそんな「覗き/ 覗かれ」の可笑しさを楽しんでいました。
    しかし、 「諜報課」は社会から追放されたメンバーの集まりだった。階下の世界との交流が生まれるにつれ、「裏と表」のコントラストがどんどんきつくなる。 天井裏は結局闇の世界で、のぞき穴から差す光に寄り集まる3人は、もうそれが手に入らないことを知っている…
    個人的にはしんどいラストだったのですが、いずみちゃんと丸茂さんの掛け合いに救われました。この2人のその後は…信じているぞ…

    MONOの作品って、色で表すと少しくすんだパステルカラーや、セピア調のイメージがあるんですが、この作品は、黒×蛍光ピンクのような毒っ気のあるポップな色彩を感じました。…こんなことも、メンバーの皆と話して盛り上がりたかったなあ。早く何も気にせず寄り集まれますように。
  • 渡辺啓太(わたなべけいた)

    俳優

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    「天井裏」という生活の中で馴染みのない設定であり、その密室性からか、人物の欲望というか本音をストレートにぶつけ合っていて、普段のMONOの作品とはまた違った楽しみ方ができました。
    例えば、理不尽な物言いをしたり集団の中で協調性を取ろうとしない金替さん、相手に対して露骨に感情表現をする奥村さんの姿などは、いつもの役柄ではあまり見られない一面ではないでしょうか。
    物語の終盤、当時のMONOメンバー5人だけになったシーンがめちゃくちゃ好きで、急に5人が学生のノリみたいな空気になる感じがあって、修学旅行の男子部屋を、こちらがのぞき見しているみたいで楽しかったです。
    設定はファンタジーな感じなのに妙なリアリティがあり、「天井裏」という空間でありながら、ネット社会を表現しているような感覚に陥りました。

いつも皆で集まって、鑑賞しながら一緒に笑ったり、時には鼻をすする音が聞こえたり…最後はお互い感想を言い合う。そんなMONO知り会。 今回はバラバラで作品を観ました。早く皆で集まれる日が来ると良いな。