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−今回は家族がテーマの作品ですが、これまでのとの違いは感じますか?

金替 基本的には土田さんの作品は「土田テイスト」の芝居だなと思っていて。その表現の仕方として家族を扱っているというだけで、そんなに特別な感じはない気がしてる。立川さんは、今回は違う感じがする?

立川 前回の『隣の芝生も。』(2018年)は2つのグループに分かれていたじゃないですか。スタンプ屋とヤクザチームで。家族であることで、前回に比べて、みんなの関係性だったり、繋がりが近い感じがして、そこは違う気がします。

金替 特別企画の『怠惰なマネキン』(2017年)ではどうだったの?

立川 あの作品でも私たちは家族ではなかったので……しかも、いつも私は後輩ポジションだったんです。今回は「お父さん」や「幼なじみ」だから、敬語も取れましたし(笑)。

金替 確かに「親子」は初めてかもしれないね。「家族」を取り扱った作品はあったんだけど、「親子関係」っていうのはなかったかなあ。土田さんらしくはあるんだけど、今まで出てこなかったセリフとかもあったりして。それはやってても面白いね。

―お二人が実際に生まれ育ったのはどんな家庭ですか?

金替 立川家は仲良さそうだよね。

立川 良いですね。家族みんな、外ではチャキチャキしてますって感じなんですけど、家の中ではオフモードになるというか……踊り狂ったり(笑)。姉、私、弟の三人姉弟なんですけど、例えばお酒で誰かが潰れたら他の2人が介抱したり、自然と助け合っているので、親からはバランスが良いって言われています。みんな等しく楽しくみたいな……わいわいやっていますね。

金替 家族仲が良いっていうのは最近の傾向なのかな? 家でみんなでお酒を飲むとか……

立川 え、ないですか?

金替 ないね。俺の家だけじゃなくて、昔はそういうことがなかったような気がするけど……仲が悪いわけじゃないよ。

立川 ご兄弟は?

金替 優しい兄が一人。柔道をやっていて。俺が悪さをすると一撃でやられてた。

立川 兄弟喧嘩ですか?

金替 喧嘩にもならなかったね。うちは商売やっているというか、下で両親が仕事をしていて。たいていの場合は俺が悪いんだけど、兄が怒られてたね。小ずるい弟だった。

立川 商売って、お店ですか?

金替 印刷屋。下にある工場で父親と母親とが働いていて。だから、若い頃から個人個人だったかな。寂しい思いはしたことがなかった。

立川 うちも自営業で学習塾をやっているんです。仕事の話も、子どもはなんとなく聞いているので、共有している感じがありました。そういうのはないですか?

金替 あまり仕事の話は聞いてなかったな。たぶん兄も聞いてなかった。知らないけど(笑)。

立川 お兄さんは、今は違う仕事をしているんですか?

金替 うん、違う仕事。でも両親の近くに住んでくれていて。優しいから。そこは安心してる。自由な家で、両親から殴られたりとか……なにかを言われることすら無かったんじゃないかな。放任されて、自由に育った。

立川 演劇を始めるときとか、活動していることについても何か言われなかったんですか?

金替 うん。あ、でも、恥ずかしいから名前を変えてくれとは言われたな。「金替」って珍しい名字だから。「お前だってすぐわかる」って。だから「名前を変えることはできないのか?」って言われたことはある(笑)。でも演劇を始めてしばらく経ってたから、このままの名前で行くって言ったら「ああ」って。

立川 うちは放流主義みたいな家族で、小さい頃から呪文のように「なんでもできるし、なんにでもなれるよ」って背中を押してくれる両親でした。演劇を始めたときも「良いじゃない」って言ってくれてたんですけど、その後、当時勤めていた職場を辞めるとなったときに初めて「大丈夫なの?」って聞かれました。

金替 大丈夫ではないよね(笑)。

立川 ですよね(笑)。……なんて言うんだろう、反対っていうよりも、「険しい道への覚悟はあるの?」って聞かれました。

金替 他の姉弟は何してるの? 

立川 姉は銀行員をしていて、弟は理系の大学院に進んでいます。……私の分もしっかりやっておくれ、みたいな(笑)。

金替 みんなしっかりしてるよね。

立川 外ではしっかりしなきゃって意識はついちゃってると思います。

金替 ……の割に、家では?

立川 反動だと思います。よく「ちゃんとしてるね」とか言われるタイプだけど、その分、家では突然奇声を上げたり、歌いだしたり……それに他の誰かが呼応していったりして。うわーって騒ぐこともあります。

金替 そこはうちとは違うね。帰ってすぐ自分の部屋に入ってたから。でも、留年したときに親父とお酒を飲んで。そのときに「親父、年取ったな……悪かったな」って思った。潰れたりしてないけど(笑)。

立川 酔ったお父さんを運んだりとかも?

金替 してないしてない(笑)。



 


―役作りに関して

 

金替 なんか考える? 「この人はどんな人だろう」とか。

立川 これまで特別企画や『隣の芝生も。』では、まずセリフを覚えて自由になってから役が埋まる感覚だったんです。でも今回は、「この人たちに何があったのか」とか、「このセリフの本心や背景はどこにあるのか」とか。細かいことをまず把握したくて、先にノートに書いたり年表を作ったりしました。

金替 自分ができないことに対して、今回の人物はできるっていう「違い」から作ってる。何かがあったとき、俺は一歩踏み出せないタイプなんだけど、今回の役は大きな一歩を踏み出しているんだよね。結局俺がやるからその人は俺なんだけど、この一歩を踏み出せたことに、自分と違う何かがあるんだろうなって。踏み出さざるを得ない状況がそこにあったっていうのを出せたらなって思ってる。

 

―稽古場で意識していることはありますか?

金替 客観性を持つことかな。娘との関係とか、他の人との関係とかで気持ち悪く感じるところがあったりして。その気持ち悪いところを見つけるというか……俯瞰的な目を持つことを意識してるかな、稽古のときは。なんかある?

立川 前回や特別企画では、自分のセリフや目の前の相手にただ精一杯だったんです。だけど今回は、事前に考えたり、準備したりできる部分は整理した上で稽古に挑めるようにしたいなって。自分の役の感情だけでなく、舞台上でどういう効果を生みたいのかだったり、どういうシーンにしたいのかってことを考え始めました。

金替 なるほど。俺も昔からやっていて、多少いろんなことができるようにもなったけど、逆に若い頃にできていたことができなくなっていて。勢いだったり、まっすぐな感じだったりが、多分、もうできない(笑)。勢いとか、推進力はなくさず、できることはがっつりやってMONOを引っ張ってください。

―お互いの印象を教えてください。

金替 特徴的な立ち方をする人だなって思った。立ってる状態が、生えてるみたいに……植物的なイメージ。変わった存在感の人だなって。

立川 それは喜んで良いんですかね?(笑)

金替 「変わった存在感」は喜ぶべき言葉なんじゃないかな。

立川 自分は特徴がないと思っていたんです。周りの兄さんや姉さんが個性豊かだから(笑)。自分はひっそり居ようと思っていたんですけど。植物……

金替 前回公演のときは、まっすぐ言うべきセリフをまっすぐ言える人だなとも思った。

立川 金替さんは……怖いですね(笑)。MONOの芝居を観ていたときから、背景を作り上げた上で舞台にいるなと思っていたんですよ。今回は絡みが多い役だから近くで見ていたら、ものすごく緻密で。金替さんを見ていて、自分の浅はかさを知るというか……。

金替 あと、立川さんは俺はやりやすいね。

立川 本当ですか? うれしい!

―京都での稽古について

金替 すごく特別なことなんだと思うね、同じことをずっと続けているって。そこに感謝するっていうのもあるんだけど、それを普通に……特別なことだと思わずやるっていう、2つのことがある感じかな。特別なことだと思っているけど、普通に稽古するという。

立川 私は、しっかりお芝居を楽しめるっていう安心感があります。京都に居ることに対しても、前回はどこか観光気分がありましたけど、今年はこの生活が自分の中に入ってきている感じで……これから自分にとっての一つの居場所になっていくんだなと感じて、うれしいです。

―ありがとうございました。そろそろ稽古の時間ですね。

金替 ありがとうございました。

立川 よろしくお願いします!

 

 

 

 ●金替康博が考える“MONOさん家”

 

 ●立川 茜が考える“MONOさん家”

高橋  死んだ祖母 水沼  祖父
水沼   金替  叔父(長男)
土田   石丸  いとこ(金替の娘)
尾方  長男 土田  叔父(次男)
渡辺  次男 渡辺  いとこ(土田の息子)
石丸  長女 奥村  父(三男)
金替  入り婿(石丸の夫) 尾方  兄
立川  次女 立川  娘
奥村  居候 高橋  尾方の娘

●次回は【 尾方宣久 × 渡辺啓太】の対談を予定しています。

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