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尾方宣久の京都ハードボイルド


第6回 平等院 

今回は宇治市まで足をのばしてみる。
宇治といえば、そう、平等院だ。
京都に住んでいながら数々の観光名所をナマで見たことのない僕にとって、平等院もその例外ではない。
十円硬貨や、教科書、雑誌でしか見たことのない「平等院鳳凰堂」…(何かカッコイイ)が今回の目的地だ。

平等院について。
永承七年(1052)に、時の関白藤原頼通によって父道長の別荘を寺院に改め創建される。
その翌年の天喜元年(1053)、阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂が建立される。左右に翼廊を伸ばしている様が鳳凰が羽を広げた姿に見えることから鳳凰堂と呼ばれるようになった。
阿弥陀如来座像、雲中供養菩薩像、鳳凰一対など、平安時代の数多くの文化財が残されている。

京都駅からJR奈良線に乗って20分ほどで宇治駅に着く。
駅から平等院までは徒歩で10分ほど。
宇治川まで行くと「夢浮橋ひろば」というところに出る。「源氏物語」をテーマにしたまちづくりを進めている宇治市には、源氏物語に関する名所やモニュメントが結構あるようだ。
まず目に入ったのは紫式部像(写真左)。そしてその向かいには何やら異様な形をしたものがある(写真中)。これは「飛雲」というもので、「宇治川の流れの力強さ、穏やかな”お茶のかおり”を平等院の雲の上に舞う、小菩薩群像のイメージに託して表現した」という解説がある。ふむふむ…よく分からない。何か抽象的だ。カメラを構えてもなかなかフレームアウトしてくれない女の子がいる。仕方なくそのままシャッターを押す。
そして平等院に到着(写真右)。ここでもカメラを構えても全く意に介さない人が。フレームアウトどころか、真ん中で止まってしまった。仕方なくそのままシャッターを押す。

●阿弥陀堂(鳳凰堂)/写真左
平等院といえばこれ、鳳凰堂。 実際に見ると頭の中で想像していたものと違う。何か普通だ。…古い。
もっと豪華絢爛なものを思い描いていたのでちょっと面食らう。
しかし1000年も前の建造物なのだ。源平の争乱や南北朝の戦いをくぐり抜けてきた建物なのだ。
古くて当然、色あせて当たり前だ。
そう考えるとその古さがとても感慨深い。そう感じるのを禁じ得ない。感動だ。

●鳳翔館/写真中
国宝の梵鐘などを展示する平等院ミュージアム。2001年に開館し、コンピューターグラフィックスを用いた映像展示や国宝検索システムなども備えている。
館内では鳳凰堂の復元映像が流されている。 当時の豪華絢爛な鳳凰堂がここで見ることができた。
また本来は鳳凰堂内部に阿弥陀如来座像とともにある雲中供養菩薩像が、現在は修復の関係でこのミュージアム内にある。雲中供養菩薩像とは、楽器を持ったり、合掌したり、舞ったりしている何十体もの仏像が雲に乗って飛んでいるもの。ひとつひとつを見ても見応えのあるものだが、まとめて展示されている様は圧巻だった。宇治川にあった「飛雲」というモニュメントはここからきているのかと気付く。

●阿字池/写真右
鳳凰堂を囲む池。鳳凰堂内部から撮影する。鳳凰堂内部では国宝の阿弥陀如来座像を見ることができる。現在修復中ということでいろんなものが持ち出されて見ることができなかったが、それより鳳凰堂内部はかなり寒い。池に囲まれているからか、とてもひんやりとしている。靴を脱いだ足下がすぅすぅと冷たい。その寒い中で係員さんの、比較的長い説明を聞くことができる。

平等院の近くには「宇治市源氏物語ミュージアム」がある。
平等院でのんびりしてしまったのだが、まだ閉館時間には間に合うようだ。
宇治川沿いに歩いて、宇治神社や世界文化遺産である宇治上神社を横目に源氏物語ミュージアムに到着する。
「源氏物語」の最後を飾る「宇治十帖」の舞台となった宇治市は、1998年にその世界を華麗に紹介する施設としてこのミュージアムをオープンした。
館内に入ると甘いお香の匂いがプンプンしている。いきなり臭覚から攻められ戸惑いを隠せない。

●牛車(春の部屋)/写真左
「春の部屋」は光源氏が活躍した世界を表現する部屋。
光源氏の住まいである六条院の1/100の模型、牛車、女房の装束、女房の部屋の様子などが展示されている。
この部屋にいるときに「映画が始まりますよ」と係員さんの案内がある。「浮舟」という篠田正浩監督の作品だ。映像展示室に移動する。始まって何も予備知識のない僕はびっくりする。なんと人形が演じているのだ。最初は表情や動きが気持悪かったのだが、見ているうちに馴染んできて、この映画は人形じゃなきゃ駄目だとまでに思うようになってしまった。

●「橋姫」の一場面(秋の部屋)/写真中
「秋の部屋」は宇治十帖の中でも最も有名な「橋姫」の一場面 を再現している。部屋全体がほんのりと暗い。写真の場面は光源氏の息子の薫が宇治の姉妹をみそめているところ。現代ならストーカーと間違えられてしまうところが名場面として再現されているのは凄い。この薫という男は体臭がかなりいい匂いだったらしく、入り口で感じた匂いはこれかと気付く。しかし体臭がこんなに甘い香りのする男はいかがなものか。

●夕日が沈むときー/写真右
源氏物語ミュージアムを出て、宇治川沿いに歩いていると、ちょうど夕暮れ時に。
悲しくはならないが、やはりすこし疲れた。

最後に、 宇治の凄いところはお金に縁があるところ。
十円玉の平等院鳳凰堂(写真左)はいわずもがな、
二千円札の源氏物語と紫式部(写真中)、
新一万円札の鳳凰像(写真右)、
とひとつの町にしてはかなりのピックアップのされ具合だ。
もし僕が宇治出身なら、間違いなく自慢するだろう。 二千円札は持ち歩くに違いない。
ちなみに宇治市のようにお札のデザインにゆかりのあるところには、若い番号のついたお札が提供されているようで、源氏物語ミュージアムに展示されてある。しかしながら十円玉は番号がないので現存するもので最も古い昭和二十六年(だったと思う)のものが展示されていた。


今日のおみやげ

宇治茶。
お茶を入れることは滅多にないのですが(たまにあってもティーバッグ)久しぶりに急須を食器棚から引っ張りだしました。
お茶っ葉の適量が分からず、入れ過ぎでかなり苦い味に。
本当は甘みのあるお茶だったはず(店員さんが言っていた)のに残念。
しかも熱〜いお湯を注いだあとに、甘みを出すには熱湯禁止という注意書きを見つけました。

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