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素人ならではのぬるいメス捌きで、スポーツのあれこれの表面をうすく、浅く、だらだらと
うろ覚えの知識やソースの怪しい資料などを援用しつつ、切り裂いていきます。
# 004
スポーツに係る著名人の発言集は有効か?(1)


はやいものでわたしがこの研究を始めてもう一年がたった。真摯な研究とは長い時間を必要とする。日記を書くようにはいかないものだ。しかしわたしなりに手ごたえは感じているし、次の段階に進むべき時期が来ているとも感じている。
研究とは分析を踏まえ実践を目指すべきものである。今回の研究はそれを証明することになるだろうし、なぜスポーツなど研究するのかという周囲の声を黙らすことになるだろう。今のところそんな声はないけれども。
したがって仕様も大幅に変わる。一年たつということはそういうことなのだ。そんなわけで今回対象とするサンプルは一冊のつつましい本である。タイトルは「オシムの言葉」。サッカー日本代表の時期監督に内定したといわれるイビチャ・オシム氏の発言集である。これを研究し、分析を加えひいては自家薬籠中のものとする予定である。
まずは一番有名なこれ。

ライオンに追われたウサギが肉離れをしますか?ようするに準備が足りないのです。わたしは現役のときに一度もしたことがない。

とてもいい。気がきいている。これを聞いて自分のことを批判していると感じた選手ですら、うまいなぁーと思ったそうだ。スポーツにかぎらず、インタビューで面白いと感じたことは少ないと思っている人は多いはずだがこれは、インタビュアーの質問がどうにも素人くさい、かしこまったものが多いためだ。オシムの言葉の可能性とはつまりそこにあると私は考えるのである。創造的な答えのあとの次の質問はやはり創造的でなければならないはずだからだ。さて、簡単に基礎所見をまとめたころでさっさと実践に移ろう。上の言葉をたたき台にして、私なりに考えた言葉はこうだ。

小道具を忘れた俳優がマイムでやりすごそうとしたりしますか?ようするに準備が足りないのです。わたしは現役のときに一度もしたことがない。

いいね。原典のフォームを保ちながら、自分の経験にぐっと引き寄せることで内容に重みを与えているね。問題は“わたしは現役のときに一度もしたことがない”という部分が事実とそぐわないということだけだね、それについては一度ならず二度三度あるからね。それと単なるパクリという点も看過できないね。あと、一応まだ現役ということもあるしね。つまり、あんまりよくないということだよね。同様な理由で以下のものもあまりよくない。

出るタイミングを逃した俳優が芝居の整合性を考えずとりあえず一番近いところからあわてて登場したりしますか?ようするに準備が足りないのです。わたしは現役のときに一度もしたことがない。

もちろん事実に基づいた言葉ではある。事実を積み上げることはたしかに必要だ。だが何か足りない。つまり、あの時わたしはちょっと寝ていたんだ。疲れていたのだと思う。規模の大きくない劇団にとって避けがたいのではあるが、本番って言うのはいつもとんでもなく疲れている状態で迎えなければいけないのだ。少人数での大規模な仕込み、おぼえて間もない台詞や段取り…。愚痴っているうちにもうこんな時間だ。今日はもう寝ます。来週あたりに続きます。



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