mono x mono
公演情報 ニュース メンバー紹介 これまでの記録 mono x mono リンク 掲示板
素人ならではのぬるいメス捌きで、スポーツのあれこれの表面をうすく、浅く、だらだらと
うろ覚えの知識やソースの怪しい資料などを援用しつつ、切り裂いていきます。

私の家の近所を本拠地とするサッカーのクラブがある。京都パープルサンガだ。
試合があるときなど時々歓声が聞こえてくる。日本に J リーグができて今年で12年。 「クラブと地域社会が一体となって実現する、スポーツが生活に溶け込み、人々が心身の健康と生活の楽しみを享受することができる町」というのが彼らが考える本拠地の概念らしい。だが、どうなのだろう。というのが今回のテーマだ。つまり 、クラブと地域社会が一体となって、スポーツが生活に溶け込み、人々が心身の健康と生活の楽しみを享受することができているのだろうかということを現代の若者の代表的な人物を観測対象にして検証する。

# 002

研究項目:サッカー
研究資料:西京極総合運動公園( 2005 年 9 月 28 日)
研究目的:一般的な若者におけるホームタウン意識とその将来性
使用機材: SH900i (シャープ製) 観測対象:和田克己

観測対象である和田克己さんは 1984 年生まれの 21 歳。大学進学とともに京都に来て 4 年目の大学生。自己評価であるが、スポーツ愛好度は3、地元(京都)愛好度は5(ともに 5 段階評価)という今回の研究対象としては申し分ないどこにでもいる若者である。彼は松田正隆さんのゼミ生であり私の演出助手を二度ほどやってくれた関係で、このワークを快く引き受けてくれた。
以下和田さんと私の会話である。

私「和田君は J リーグの試合はよくみるの?」
和田さん(以下、和)「みないです」
私「代表戦ぐらいか?ワールドカップとかぐらいかな。実は私もそうなんだけど。」
「みたことないです。」
私「そうかい。」
「まずいですかね。」
私「そんなことはない。そういったスポーツに無気力、無関心な若者に、あらためてその魅力をわかってもらうというのが今日の趣旨なんだ。その昔、西武球場というところに野球を見に行ったことがある。もちろん私は西武ファンではなかった。しかし、スタジアムが近づくにつれ、そして電車内がライオンズブルーに染まるにつれていつの間にか気持ちが高揚し、スタジアムに着くころにはすっかり西武ファンになったという経験があるんだ。今日は君にそうなってほしい。」
「まぁ・・・、はい。で、どこに?」
私「これから向かうのは京都パープルサンガのホームスタジアムさ。」
「なぜ、自転車を降りて、わざわざ電車で行かないといけないのでしょうか?」
私「ふふふ、そうなんだ。つまり最寄の駅というのはいわば玄関口、そのクラブの顔なんだな。君はいやおうなしに興奮するだろうな。今日はそういう君の変わりようをレポートしたいんだよ。」


「はぁ…」
車内アナウンス「西京極〜、西京極〜」
私「さあ、降りたまえ。そして見回したまえ。一面の紫(パープル)を」

ト、電車を降り、辺りを見回す二人

「・・・」※写真左
私「・・・」
和「パ、紫(パープル)とは?」
私「うん・・・、とりあえずスタジアムに行こうよ。」

「 大丈夫ですか?この企画 」
「 だ、大丈夫さ、だって西武球場では確かに・・・」
「じゃあ、期待してそのスタジアムに行きますか。」
私「期待してくれ、そして感動してくれ。まずは駅前のにぎやかさに、一面の紫(パープル)に。」

ト、駅に降り立つ二人

「普通の田舎駅ですけど。どっちにいけばいいのかわからないし。」※写真右
私「・・・右じゃないかな、左はほら、阪急そばだし。右から行こうよ。」
「右はでもアクアなんとかですよ。」
私「…じゃあ、私は右に、あなたは左に。」
「どっちでもいいですけど、いっしょに行きましょうよ。」
私「べつに、いいよ…それで。」

ト、なんとなく歩き始める二人。
そのまま普通の住宅街を抜け、 10 分ぐらい歩く。

「 10 分歩いていますよ。」
私「 10 分歩いているね。」
「いい公園ですね、緑がいっぱいだ。森みたいだな。」
私「ふふふ、紫はない、と言いたいのだな?若者らしいエッジの利いた皮肉だが、へこたれないぞ。」
「ふん。・・・さっきのは野球場ですよね。」
私「そう書いてあったね。」

ト、迷い込んだラビリンス。高まる疲労感。しかしついに。

「あっ、あれは。」
私「うん。ついにたどり着いたんだな。」
「おおぉ〜」

ト、思わず駆け出し得意のロッキーのまねをし、喜びを表現する和田克己さん ※写真右

「見渡すかぎりノーパープルでした。」
私「そうだね。」
「なんかむなしいです。」
私「同意見だ。」

そのあとわれわれは、近くのベンチに座り、ひとしきりスポーツ以外の話しをして帰ることにした。
管理をしていた人の話では、盛り上がりたいなら、試合のある日に来いとのことだった。

さて、前述したように、かつてわたしが所沢球場(現西武スタジアム)に感じたようなマジックを、いまを代表するこの若者は感じてくれたのだろうか?そして、 クラブと地域社会が一体となって、スポーツが生活に溶け込み、人々が心身の健康と生活の楽しみを享受することが、この地、西京極で実現しているのだろうか?

残念ながら、今日の結果では、 NO だ。しかし、ゲームの組まれていない平日ということを勘案しなければいけないだろう。いや、もしゲームのある日なら、と私は想像する。この公園いっぱいに広がる紫(パープル)を。人々の心身の健康と生活の楽しみに満ち溢れた紫の森を。そして、スタンドの最前列にほほを紫に染めて声をからしている和田克己さんの姿を。今日のところはこれぐらいにしておきます。めざせ J 1。

■今日の提案 ■

駅前にスタジアムへの情報をください。また、駅からスタジアムへの道を紫に染めるなどしてください。

since 2000.5.18 / Copyright ©2000-2004 Cucumber Co., Ltd. All rights reserved
MONO TOP MONO TOP
 
MONO TOP